愛犬カノンとのお別れ

パートナー犬のカノンと歩いた17年と304日
17歳と304日。
愛犬カノンは、穏やかに、静かに旅立ちました。
生まれた瞬間からずっと一緒に過ごし、日々の暮らしも、仕事も、旅も、すべてを共にしてきた存在。
カノンが10歳を過ぎてから、「犬のしつけ方教室」のトレーナーとしての私にとって、かけがえのないパートナー犬でもありました。
教室への通勤路、季節ごとのお散歩、
イベントやレッスンの帰り道に立ち寄った土手や公園。
旅行先で一緒に見た景色や、車の中で眠る横顔。
特別なことばかりではなく、
「いつもの日常」を一緒に重ねてきた17年でした。
とても素直で、優しくて、空気を和ませる力を持った子。
そばにいるだけで、人も犬も自然と笑顔になる——
カノンは、そんな特別な存在でした。
家族と一緒に火葬を終え、デイビーと一緒に土手から空を見上げて見送りました。
風の匂いも、空の広さも、どこか懐かしくて、
空の向こうで、また軽やかに走り出しているような気がしています。
覚悟も準備もしてきました。
不思議と後悔はありません。
それでもやっぱり、とにかく寂しい。
ただ、それ以上に「ありがとう」という気持ちで胸がいっぱいです。
生徒さんとワンちゃんたちに残してくれたもの
カノンは、決して前に出るタイプの犬ではありませんでした。
でもその存在は、たくさんの生徒さんやワンちゃんたちの心に、確かに残っています。
初めて教室に来て緊張しているワンちゃんのそばに、そっと寄り添う。
落ち着かない空気の中でも、自然に伏せて場を和ませる。
「何もしない」ことで、安心を伝えられる犬でした。
イベントや合同レッスン、外出トレーニングの場でも、
カノンはいつもマイペース。
無理に関わらず、でも確かに“そこにいる”ことで、
犬同士の距離感や、人との関係性の大切さを教えてくれました。
問題行動を直すことよりも、犬の気持ちを理解すること。
焦らず、比べず、その子のペースを尊重すること。
カノンは、トレーニングの“正解”を、
言葉ではなく、生き方そのもので示してくれたパートナーでした。
「こんなふうに歳を重ねたい」
「うちの子も、こんな穏やかな表情になってほしい」
そんな言葉を、生徒さんから何度もいただいたことが、
私にとっても、カノンにとっても、何よりの宝物です。
感謝と、これからも続いていく時間
生前、仲良くしてくださった飼い主さん、ワンちゃんたち、
たくさん可愛がってくれたお友達やトレーナー仲間、
そして家族へ——心から感謝しています。
カノンは、私にとって「愛犬」であると同時に、
トレーナーとしての在り方を一緒につくってくれた存在でした。
一緒に出かけた場所、歩いた道、過ごした季節は、
これからも私の中で色あせることはありません。
これからも、教室の中で。
トレーニングの考え方の中で。
そして、私の心の中で——
カノンは生き続けていくと思っています。
カノン、
たくさんの優しさと、たくさんの学びをありがとう。
またいつか、どこかで会おうね。
その時は、また一緒に、ゆっくり歩こう。













